01Interview

お客様のニーズに寄り添い、関わる人が幸せになる会社を成長させていくことで地域に貢献していきたいー株式会社平岡石油店

これまでにないスタイルのガソリンスタンドで地域に密着したサービスを展開する株式会社平岡石油店。その代表取締役社長の平岡務さんにお話を伺いました。

まずは、貴社の沿革や概要を教えて下さい。

昭和24年4月に創業し、今年で72年になります。私の祖父が福岡県北九州市で潤滑油の工場に勤めていた当時、石油元売会社に指定された出光興産と付き合いがあり、祖父の地元である唐津で商売を始めるため、弊社が第1号特約店として契約させて頂き、ガソリンスタンドを開業しました。第1号特約店は全国にわずか27店で、現在も続いている企業は大変少ないです。現在、22名の従業員がおり、20代~40代が主要なスタッフとして頑張ってくれています。


一般的なガソリンスタンドと比べて、おしゃれで明るいイメージですね。ここで展開されているサービスを教えて下さい。

長年、ガソリンスタンドを中心に石油製品に関する商売をしてきましたが、地球温暖化の問題も年々大きくなり、ハイブリット車も普及していく中で、将来的に石油燃料もピークアウトしていくだろうと、今後のビジネス展開について考えていました。そこで、経営の多角化を進めようと、2007年に本店ガソリンスタンドを全面改装し、当時ではまだ珍しかった給油のセルフ方式を取り入れました。セルフサービスというと、多くのガソリンスタンドがコスト削減のために取り入れていますが、当社は全く別の視点で始めました。それは「地域に貢献するために何が出来るだろうか」と考えた先に生まれたコンセプト「May I help you?」、つまり「何かお手伝いすることはありませんか?」という精神です。

当社はセルフ=お客様の満足度を上げるサービスだと考えていて、お客様に好きな油種や量を気軽に選んで頂くだけでなく、お困りごとがあれば、スタッフがコンシェルジュとしてお手伝いします。特にご年配や女性のお客様に寄り添うことを重視し、リニューアルでは、当時では珍しく施設を全面禁煙にし、明るいカラーリングでカフェのような雰囲気とサービスを提供し、誰でも気軽に立ち寄れる場所づくりを心掛けました。日頃のサービスを通してお客様と良い関係を作り、「ここに来れば、車のサービスは何でも出来る」と思って頂くことを目指しました。

そのようなサービスの成果がみのり、お客様から「車は売ってないの?」「車検はできないの?」などと、お声をかけていただくようになり、その都度お客様のニーズに応えることができるようスタッフ一人一人が勉強しサービス事業を増やし、事業を成長させてきました。

おかげで今では、レンタカー、新中古車の販売、車のリース、車検整備事業、損害保険代理店、自動車の板金塗装事業、産業用の燃料配送事業など、車周りに関する様々な事業を展開することができています。特にレンタカー事業は、想像以上に反響がありました。中古車をレンタカーとして利用することで、他店よりも低い価格でご提供でき、ガソリンスタンドであれば洗車や整備をワンストップでできるので、効率的です。当初は、観光客の利用をイメージしていましたが、実際には、地域の方の普段使いやピンポイントで利用いただく事が増えてきました。例えば親戚が集まって大型の車が必要な時、帰省をした家族でもう一台車を借りたいときなどのシーンでご利用いただき、逆にお客様を通して新たな視点や時代のニーズを教えて頂く日々です。


ガソリンスタンドのイメージや既成観念が大きく変わるような気がします。

そうですね。以前はガソリンスタンドと言えば作業員としてのイメージがありましたが、お客様の相談に応じて様々なことを提案していく会社になり、スタッフも以前に増してやりがいを感じることができる職場になっています。お客様が満足していただくことで、スタッフがやりがいを感じるという良い循環は、会社にとっても利益を生み、収益が大きくなれば、それをスタッフに還元できます。それにより、人材の定着やまた更に良い人材を呼び込むことにも繋がっています。地域で役に立つサービスを皆で考えながら、社員にもやりがいを持ってもらうことが大事ですね。10年でやっとこの形が出来た気がしますが、まだまだ進化させていく必要があると思います。今後、燃料が変わってもお客様との関係性が財産となり、ビジネスを続けていくことができると思います。


御社が考える地域貢献を教えてください。

もっとも大きな地域貢献は、会社の事業を長く続けていくことだと考えています。安定した職場を提供し、安心して社員が働ける環境をつくり、人を育て地域経済に貢献をし続けるということです。

最近よく社内の幹部会議で「幸せと満足」について話しています。同じ意味に見えますが、違います。「満足」な会社は、給料や休みなど数値化できるもので、ある程度満たされるものの、ますます欲が出てくる概念です。「幸せ」な会社は社員同士が理解し合い、質を高め合い、人間的成長が出来る関係を築ける会社だと思います。そのような会社に育てていくこと自体が地域貢献に繋がると考えています。

お客様からの信頼を得るためには時間がかかります。何か問題なのか、その場しのぎの対処方法ではなく、根本的な解決につながるサービスを提案する。それには、お客様とじっくり向き合いしっかりした信頼の基盤を作っていく必要があります。私は、お客様のニーズに応えることは、地域の課題を解決していくことだと考えています。そのようなサービスを実現することで、「ここでいい」ではなく「ここがいい」と、地域のお客さまから長く愛される店にしていきたいです。


最後に、シアター・エンヤへの応援メッセージをお願いします。

シアター・エンヤは、シネコンや福岡や佐賀市内の他の映画館では味わえない空間だと思います。映画館が長くないまちでしたので、最初はその価値や良さをすぐに理解してくれる人は少ないかもしれません。ですが、地域のために映画館を作ろうと思った強い意志は間違っていないと思いますし、絶対に曲げないでやってほしいです。強い意志があってこそ何事も実現できると思います。本当に理解してくれる人を焦らずに少しずつ丁寧に増やしていってください。私達も応援しています!

株式会社平岡石油店

創立:昭和24年4月、昭和30年9月6日 株式会社へ組織変更
資本金 :1,000万円
本社: 〒847-0821 佐賀県唐津市町田621-1
従業員数: 社員15名、アルバイト6名
公式WEBサイト:https://hiraoka-sekiyu.jp/

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